リソース
2023.11.13 インプレスAV watch に掲載
2023.08.04 大学院総合文化研究科のトピックスに掲載
2023.07.21米国音響学会誌 The Journal of the Acoustical Society of America に掲載
関係者
齋藤晴雄
竹内誠
背景
デジタルオーディオプレーヤー(CDプレーヤーを含む)は、デジタル音楽ファイルを読み出し、再生音に対応するアナログ電気信号に変換し、出力します。そして、この変換過程(Digital to Analog Conversion:DAC)は一定の周期で行われるという前提の元に、デジタル音楽ファイルが作成されています。しかしながら、現実のデジタルオーディオプレーヤーでは、内部にある基準信号源の安定性などが原因となり、必ずしも一定の周期でDACが行われていません。このDACが行なわれるタイミングのずれを、サンプリングジッターと呼びます。
私たちは、デジタルオーディオプレーヤーの再生性能を、精密かつ手軽に測定する方法を、米国音響学会誌 The Journal of the Acoustical Society of America にて公表しました [Makoto Takeuchi and Haruo Saito, "Absolute measurement of sampling jitter in audio equipment", The Journal of the Acoustical Society of America, 154, 443--453 (2023). ]。
本研究室が独自に開発した測定法を用いることで、オーディオ機器の個人ユーザーは、より原音に忠実なデジタルオーディオプレーヤーを、客観的に選定することができます。また、本測定法は、オーディオ機器の製品開発にも有用です。
サンプリングジッターが及ぼす影響(定性的な説明)
この図は、円盤式蓄音機から出力される音楽と、その音楽を鑑賞する人間を表しています。再生される音楽が歪まないよう、レコードの回転速度を一定に保つ必要があります。同様の理由で、デジタルオーディオプレーヤーの場合は、DACのタイミングを一定の周期に保つ必要があります。